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"padpadracha" え? なんて読む?

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蓮の花のフリー写真をネットで探すと、こんな感じの優しいピンク色か、あるいはさらに薄桃色の花が出てきます。 なんて読むの?と最初は戸惑う”Padpadracha”はスリランカの公用語の一つのシンハラ語で”蓮の花”を意味するパパラチアと読みます。 その名前がつけられた人気の希少石がパパラチアサファイアです。 バンコクではある時期、この希少石であるはずのパパラチアサファイアが大量に出回りましたが、後にそれが処理されたパパラチアカラーだと判明してバンコクの石関係者界隈がざわついた 時がありました。   その時見た処理されたパパラチアはいずれもオレンジに近いものだったと記憶しているのですが、実際の蓮の花はこんなにも優しいピンク色。 ピンクとオレンジの中間色がパパラチアだと定義されている?ようですが、以前に信頼できる鑑別機関に送って”Padpadracha”と鑑別された石はいずれも優しいピンクに微量のオレンジが入っているような入っていないような曖昧な色の美しさを持つ石でした。 パパラチアサファイアには色幅があるようですね。。。。 たしか シェフTのお道具箱の中にも、この石がまだいくつかあったかな??と思い出したので、早速金庫の奥の方をのぞいてみると、お道具箱に眠っている色のあせない品の良い色を放つ蓮の花色の石達をすぐに見つけました。 スリランカ産の無処理のパパラチアサファイアです。 清楚な佇まいの石に似つかわしくない手の上で申し訳ないのですが、1.2ctの輝きは優しい色でもサファイアの力強さを持っています。 リングにしたらおそらく、更に輝きが際立つでしょう。 そしてさらにもう1石1.53ctのパパラチア色の石が出てきました。 同じようなパパラチア色ですが、その輝きにはサファイアよりもさらにシャープな光が放たれています。 ネオンのようなまぶしい輝きのパパラチア色はサファイアではなくスピネルでした。 スピネルは最近は驚くほどの高級石になりました。 以前はスピネルの知名度が低かったせいなのか、ルビーサファイアに引けをとらない美しさを持つ宝石なのにも関わらず関心を持たれる方が少なかった印象でした。 さて、そんなスピネルの1ctを切るもので、品質がとても良いものを集めてシンプルなリングを作ってみました。 (4本のニューアイテムを重ね付け) 1ct切るといってもいずれも0.5ctから0.8...

翡翠にまつわる不思議な話2

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私とシェフTは米国のGemological Institute of America という学校のサンタモニカ校の同級生でした。 シェフTはその時は私の後ろに目立たなく座っているただのクラス メートに過ぎなかったのですが 翡翠についてクラスで講義を受けている時、講義の合間の ランチの時間に雑談で Tシェフのおばあさまと翡翠の関わりについ て話を聞かせてくれました。 とても心に残る話だったのでシェフTから詳しく聞き取り調査など して ストーリーを紹介してみたいと思います。 第二次世界大戦当時、シェフ Tのおばあさまは若い巡査だったおじいさまと小さい3人の 子供、 その一番上がシェフTのお父さまなのですが、 一家5人で住居付きの駐在所に住んでいました。 静岡県沼津市の下河原という所で海岸まで歩いて20分位の所です 。 戦争末期のある夜、沼津が大空襲にあいました。 今,ウクライナ戦争ではミサイル攻撃で市民に何人かの犠牲が出たとい うことを ニュースでよくやっていますが、人権状況が今とは全然違う 第二次世界大戦当時は 人の命は今よりも軽く、 日本の各都市では毎日のように空襲にあい、 何百人、何千人、 何万人の人が命を落としたそうです。 沼津大空襲の夜、 おばあさま達が住んでいた駐在所も回りの家同様、炎に包まれ, 一家は着のみ着のまま何も持たず海岸に向かって逃げた のでした。 海岸に無事避難するとおじいさまは仕事に戻ると言っておばあさま と3人の子供を残し、 燃え盛る市街地へ一人で戻って行ったのでした。 夜が明けてもおじいさまはおばあさま達が待っている海岸に戻らずおばあさまは おじいさまが 殉職したかもしれないと思い、 大変不安な思いで待っていたそうです。 陽が高くなってから大勢の茫然と座りこんだ避難民の向こうから 警 察官の制服を着たおじいさまがおばあさま達を探しながら遠くの方から歩いて来 るのが見え、 あまりの嬉しさに夢かと思ったそうです。 おばあさまは極度の緊張から解かれ力が抜けて立ち上がることもで きず、 ただただ、おじいさまに支えられ泣いていたそうです。 しばらく時間がたち落ち着くとおばあさまは翡翠の指輪が指から無 くなっているのに気付きました。 避難する際、 必死に子供の手を引っ張ったりしているうちに外れたのかもしれま せん。 その翡翠の指輪は結婚してすぐにおじい...

翡翠にまつわる不思議な話1

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来月の4日には東京のショップチャンネルのジュエリーデーに翡翠のアートラインの1時間(19時から)に出演します。 今回は翡翠やメタルに白い輝きを多く入れて翡翠をおしゃれにカジュアルに着けたいと考えたコレクションになりました。 ”お勧めは?”と聞かれるのですが、白薔薇もラベンダーのカービングもインペリアルもスクエアカットもバングルも、どれもこれもおすすめ。 その中で今回はラベンダーを大きく使用したカービングを作りました。   ラベンダー翡翠は色が美しいもの、または透明度があるものはそれぞれ希少だけれど、色が美しくてかつ透明度があればそれは相当に美しい石となります。  私は翡翠に限らず”照りの良い石”が好きなのですが、ラベンダー翡翠も色と透明度がある原石を探します(そういう石は高価ですけど)。 Sheenにはこの両方を満たしたラベンダー翡翠がシンプルなデザインになって飾られています。 17ctもあってこの色と輝き。  リングにしたいハイクオリテイーですが、リングにはちょっと大きすぎる感じもしてごくごくシンプルなペンダントにしました。 こちらは1点しかないものです。 ここまで大きくて良質のラベンダー翡翠は数多くを並べることはできませんが、透明度があり色が美しい大きな原石を使ったカービングを今回のコレクションでは準備しています。 さて、翡翠は宝石として大昔から使われていた素材ですが、宝飾品という観点からと同じくらい”護身の石”としての評判が高い宝石です。 実は ”アートラインで購入した翡翠のカービングを落としてしまった ”という方から最近メールをいただきましたが、その時私が心の中で思ったのは”残念ではあるけれど翡翠を破損したり無くしたりするのは良いことだといわれているよね”ということです。 もう25年以上前の話ですが(この話は友人などによくする話なので聞いたことある方はスルーしてくださいね)、シェフTと私がミャンマーに石の買い付けに出ていた時に素晴らしい翡翠のカービング作品に出合った話です。 そしてその作品はクジャクの透かし彫りでした。 インペリアルジェイドと言っても過言ではないような透明で色鮮やかな無処理の翡翠にクジャクの透かし彫りを施した作品で、それは素晴らしい技術でしたので是非ブローチを作りたいと思いました。 (それはまだ弊社のカーバーの親方に出会う前です) しかし価格...

偶然のThe Jam Factory

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静かな天気のいい日曜日の午後、 近くて行きやすい所で未知の所を 散歩しようと思いチャオプラヤー 川の対岸に行きました。 BTSでクルン・ トンブリー駅まで行きモノレールに乗り換え クロンサン駅で下車、 バンコク銀行わきの細い道に入り、 川方面に向かいました。 ローカルマー ケットがあるという事だったのですが コロナの影響か ほとんどの屋台は空でした。 さらに歩き川に近づくとちょっと気になる倉庫風の建物発見。 駐車場の看板にはThe Jam Factory とあります。 黒塗りのシンプルな建物ですがピアに近いので昔は倉庫だったのか も。 中に灯り見えるので 入ってみるとオブジェ風の家具や照明の ギャラリーになっています 。 カフェの入口を入ると 奥にはカフェと本屋さんがあります。 静かにコーヒーを飲んでいる人々は欧米人も多く 何か異国のような空 気を感じました。 中庭にでてみると別の建物がありやはりギャラリーみたいに なって います。 大きな樹の下で静かにコーヒーを飲んでる人がいました。 猫君ものんびりしています。何を考えているのでしょう? エサのことでしょうか。 さらに歩いて行くとタイレストランが。 Never Ending Summer と看板に書いてあります。 ここも倉庫風の建物です。 外は静かで人気がないのですが 中にはお客さんがたくさん居てびっく りしました。 メニューを見ている時もピアの方から来たカップルが入って行きま した。 値段は200バーツ代が中心でお手頃なので今度ゆっくり来ようと 思いました。 今日 はこのすぐ近くのアイコンサイアムの中島水産でシーフード を買う予定 もあり、 お腹もすいていないので別の機会に来る事にしたのです。 カフェに置いてあったブロシュアを見たらギャラリーに展示してい る作品は アムステルダムのデザイナーの作品らしいです。 だからこの建物の辺りは異国の空気を感じたのかもしれません。 こんな雰囲気にはコンテンポラリーなジュエリーが似合い合いそう です。 タヒチ産サウスシーパールのリングとカボションアクアマリンのリング。 ちなみにリバーシティーで渡し船に乗りトンブリーサイドで降りて 写真の道を川沿いに右に行くとThe Jam Factory はあります。 それでは!

疲れた目が癒される憩いの場所がこんなところに

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 ジュエリーの仕事をしていると目を酷使し続けるので、最近の休日はなるべく目を使わないでリラックスすることを心がけています。 車の運転をしない PCや携帯を極力見ない このところのマイブームはバンコク近郊を訪ねる小さな旅です。 休日の半日ほどを使ってBTSなどで移動できる範囲のところを歩いて探検します。 先日はBTS ナショナルスタジアム駅から地下鉄のSam Yan駅の間にあるチュラロンコン大学の敷地に隣接する地域を歩いてきました。 これが思いがけなく沢山の発見があり、ひさしぶりに学生街の爽やかな空気を感じることができて気持ちの良い徒歩旅でした。 特にこのドームはびっくり。 うちのアパートから見えていながら、いったいどこの何なのかとずっと疑問に思っていたドームです。 ナショナルスタジアムの裏からスタートして歩いていたら偶然にたどり着きました。 チュラロンコン大学に隣接している場所  FAAMAI です。              そこから公園に通じる並木道はフリーマーケットが開催されていていましたが、古着から手芸品、食品の屋台までさまざまで、すべてが手作り風で高校や大学の文化祭をおもいださせるような風景でした。 周辺の建物がなにやらとってもおしゃれ 中国風?しかしモダンで新しい感じのする建物が並びだしました。   突然現れる中国寺風の建物 階段を上ってゆくとモダン中国風の建物が左右に現れてきました。 Dragon Townというらしいです。 せっかくの雰囲気良いカフェですが、誰も入ってないようでした。     建物が複雑に配置されている設計でとても惹かれます。   しかし、入っている店舗もまばらで日曜日だというのに人がほとんど歩いていません。  こんなところにSheenの工房と店舗があったら。。。と思いをはせてしまいそうなくらい良い雰囲気。 しかし、 誰もいない、、、お客さんがいません。 残念ながらここはだめかも ところどころに店舗がオープンしており、どのお店もそれなりにお洒落な雰囲気を醸し出していましたが、人の流れがありませんでした。 Dragon Townを抜けて歩いてゆくと並木道が終わり、公園の入り口になっていました。 チュラロンコン大学セントラルパーク この公園の脇には大きなモールがありました。 I am Park. というモール。  探検したくなる複...